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4点静圧式VAV(CAV)の特徴

@4点静圧式VAVは 主にドラフトチャンバ (ヒュームフード)の排気口にセットされて その排気風量制御用として用いられます。
風量制御用VAVとしては 後で述べます オリフィス式という オリフィス前後の差圧を利用する方式も多用されています。
4点静圧式は オリフィス式に比べ 次のような特徴を有しています。
  • 長手方向 ( 風向方向) の寸法を 約1/2 に短尺化できる。( 当社比)
  • 風量測定面で比較して 風量測定口前後の配管・ダンパーの羽根等の影響を受けにくい構造となっており4点静圧平均化風量測定式の採用により より安定した精度の高い風量制御が可能である。
ただし この4点静圧式は 対象機器が設置された室圧との比較測定式なので VAV の前に フィルターとかスクラバーなど 圧損のある機器が挿入される場合は 検出方式上 採用できないので この場合は従来どおり オリフィス式が採用されます。
ドラフトチャンバー排気口に直接 一体型で設置された 4点静圧式VAVの代表例を 図 1・2 に示します。
図1図2
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A 4点静圧式とオリフィス式の風量測定比較

4点静圧式VAVと オリフィス式VAVの外形比較を 図3 ・ 図4 に示します。
この図から 明らかなように 4点静圧式は高さ方向の寸法を大幅に短縮することが可能です。
図3図4
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この2つの方式で 通過風量を測定するには 4点静圧式は 図3の4点静圧ポートの静圧の平均値を用い図4のオリフィス式は オリフィス板前後の差圧を利用する点が大きく異なります。正確にいいますと4点静圧式は 4点静圧ポートの平均化静圧(負圧)と 室圧との差圧を利用することになります。4点静圧を平均化する意味は別項でも述べていますが配管内部の風速は必ず偏流しており風速計で1点だけ測定しても風量換算する代表値とは言いずらい面がありますので 正確な風量を求めるためには 偏流分布全体を把握する必要があるためです。
また 風量を測定するのに静圧を利用する目的は ベルヌーイの定理から 動圧と静圧とはお互いに相関関係を有すること 及び 内部に風速計を仕込まなくても 配管内面に静圧孔を設けるだけで測定可能で内部腐食性雰囲気の影響を受けにくく メンテナンスの面からも有利なためです。

Bオリフィス式の静圧について

まず オリフィス式の各部の静圧は 図5に示します オリフィス式ダンパーが設置されている例で 吸込口からの距離ごとに 円周方向に4分割した@〜Cの 4点に静圧ポートを設け各ポートの静圧を 測定した結果の例を 図6に示します。(ダクト吸い込み口は端面切りっ放し。隅 R なし)
オリフィス式ダンパー静圧測定
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オリフィス式ダンパー吸込口からの距離 対 4点静圧例
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この図から明らかなように4点各部の静圧は内部を通過する風の乱れによって特に吸込口部分・オリフィス前部分・ダンパーの羽根前部分で大きくバラついています。特にダンパー羽根前の @(黒線)の静圧は羽根の角度の影響を受けて非常に低い負静圧(絶対値 大 -200Pa以上)となっています。
オリフィス式はこのうちオリフィス前・後の差圧を利用して風量測定するのでこの図で550mm 前後の値を見るとオリフィス前の方がオリフィス後より静圧値が高く 上流側+ , 下流側 - の差圧となります。
次に これらのバラついている4点の静圧を平均化した値を測定した結果を同じく図7に示します。
この試験例では 250Φで 24CMM の風量なので平均通過風速は 8.15 m/sec となりその動圧値は0.6 × (8.15×8.15) = 40Paです。( ここではこの値を損失係数の 1.0 相当と定義します。)
この各部の静圧は室圧 ( 室圧を 0 Pa と定義する。)と比較して 吸い込み口で 風の絞り(チョーク)効果により一気に -110Paまで下がり 300mmくらい入ったところで -71Pa で安定するので直管部の圧損を
4点平均化静圧
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1Pa程度とすれば 吸い込み口の圧損は 71 -1 -40 = 30Pa となり 損失係数に換算すると 30/40 = 0.75と非常に大きな値になっています。これは 吸い込み口ダクトが 切りっ放しの Φ250mm の薄厚金属製ダクトを使用しており 吸い込み口に丸みがないため 入口の風の絞り効果が大きく表れているためです。
オリフィス部の圧損は 損失係数が 0.036程度なので 12Paくらい, ダンパーの圧損は この風量・ダンパー開度だと 260Pa 程度と見なされます。(ダンパーの圧損については別項で詳しく述べます。)
特に注目したいのは 入口付近の静圧が 圧損(40Pa)の効果以上に 大きく下がって -110Pa程度まで下がっていることです。これは この部分の風の面積が絞られて 風の通過面積が減り 部分的に風速が平均風速(8.15m/sec)以上に 上がったため 過渡的に動圧値が上昇し 結果として静圧値が一気に低下したと考えられます。 この 管入口での大きな過渡的な静圧低下については入口で測定した平均面風速から 算出した風量の値が 実風量より 10〜15%程度大きな値に見掛け上なる場合が多い経験からも類推できます。 (吸い込み口での風速測定を実風量換算する場合は注意を要します。実風量換算のための風速測定は 吸い込み口で測るよりも 後で述べます吐き出し口で測定した方が正確です。)この入口の過渡的な静圧低下は オリフィス式差圧検出値に影響を及ぼしますので この影響を避けるため オリフィス式の場合は オリフィス位置より前に 2 × D (Dは管径) の直管部を設けて頂くように取説などで推奨しています(図5では 550mmの直管部を設けている。)が 一番効果的なのは 入口に丸み(R ) をつけた形状として 損失係数を小さくすることです。(損失係数については別項を参照下さい。)
 図8〜13示します 入口の形状を変えて オリフィスの差圧を測定した結果例を表1にまとめました。

図8〜9
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図10〜11
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図12〜13
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吸い込み口の形状を変えてのオリフィス静圧測定試験結果
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表1 からみて
  1. 図9の板フランジ 隅Rなしは 吸い込み口に丸みが無く 損失係数が大きく 直管長さも短いのでオリフィスの出力は図8 直管長さ1000mm(4×D)のものと 同じ風量付近で比較して 静圧が 約20%程度絶対値が低くなっている。この原因は オリフィス上流側の静圧が 入口損失の影響を受けて 低い値に引きずられているためと考えられます。
  2. 図10 のダクトフランジ付きの入口のものは 丸み効果で 損失係数が小さく 直管長さが短いにも関わらず直管長さ1000mm(4×D) と比較して ほぼ同じオリフィス差圧となっており 大きな効果が現れています。(直管長さ 300mm = 1.2 × D でも実用性有り。)
  3. 図11の入口絞り板付きのものは 損失係数が非常に大きな値になるため 上流側静圧が極端に低下しオリフィス差圧も低下してしまって正確な風量検出ができておりません。(×)
  4. 図12の 入口にエルボ付き(ただしエルボの入口には ダクトフランジを装着)で 直管長さも短いですが直管長さ1000mm(4×D)とほぼ似た差圧を出力しています。上流側の静圧は 4点個々に見ると36%程度バラついていますが4点静圧均圧化検出効果により 平均化されて処理されるので実使用 可能レベルになっています。下流側について見れば この例では オリフィス板の絞り効果により 4点の静圧の大きなバラツキはありませんが後で述べます4点静圧式同様 オリフィス位置と下流側のダンパー軸までの距離の短縮化を計る場合ダンパー羽根の開度の影響を受けて ダンパー軸前で風の偏流が起こりますので 下流側についても4点静圧平均化処理方式の方が有利です。
    図13のレジューサ差し込み式についても 損失係数が小さいので直管長さが300mmでも 基本形(4×D)や エルボ入口式と似た出力となっておりこれも十分実用性を有しています。このように オリフィス式についても4点静圧平均化処理方式を採用することにより吸い込み口の損失係数の小さい吸い込み口形状とすればオリフィス前直管長さの短縮化でより実際の配管事情に応じた適用範囲の拡大が計れます。さらに 配管内の風速は偏流して大きなバラツキがありますので 風量換算目的の風速を測定する場合 多くの点の風速を測定して平均化する必要がありますが静圧の方が風速に比べ相対的にバラツキが小さく かつ4点静圧均圧処理により配管内の風の流れの全体像を簡便に把握しやすい検出方式だと言えます。
    図14に 表1の試験結果を吸い込み口形状別にグラフで示しました。
  5.  
吸い込み口形状別 風量対オリフィス差圧
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C 風量換算用風速測定位置について

風量測定には 静圧ではなく 直接 風速を測定して それに断面積を掛けて求める方法も ありますが この風量換算用の代表風速を測定する位置としては 前に述べましたように 吸い込み口では 損失係数による風の絞り効果が現れ 風速値が高めに出てしまう傾向があります。直管部を長く取って 静圧が安定する位置 (例えば 図7の吸い込み口より 300mm程度奥に入った位置)で測っても 偏流により風速バラツキは50%近くあり 多点 (弊社では 4点, 測定位置 0.75Dを採用・別項参照)測定してその平均値を採用する方法を取っています。測定位置については 弊社では 配管吐き出し口での面風速を採用しています。吐き出し口は 損失係数 1.0 (吐き出し口の静圧は 0Paで ほぼ 圧損 = 動圧 の関係になる。) で安定 しており 出口の形状の影響 (丸みをもっているかいないかなど)を受けない 風速測定に好都合な面と考えています。
吐き出し口の風速測定の例として図15に 示す配管吐き出し口で@〜Gの 8点について 風速測定した結果を 表2にまとめました。風速計は カノマックス製MODEL6004を使用し 表示値は5秒移動平均値を採用しました。この吐き出し口は その前に5 ×D 程度の長い直管部を設けていますが 最小値でAの6.3m/sec, 最大でCの 9.99m/sec で 約50%近いバラツキがあるので平均値を取る必要があります。
吐き出し口の風速測定点
表2 試験結果
測定時間
移動平均
バラツキ 測定位置と風速(m/sec) 平均風速 風量(CMM)
@ A B C D E F G
SLOW
(5秒)
最小 7.60 6.30 7.04 9.50 6.95 8.03 7.17 7.52 7.51 22.1
最大 7.87 6.58 7.41 9.99 7.13 8.31 7.63 8.20 7.89 23.2
平均 7.74 6.44 7.23 9.75 7.04 8.17 7.40 7.86 7.70 22.7

D エルボ配管部の 静圧及び風速分布

次にエルボ配管部分の静圧及び風速測定について一例を紹介します。図16にエルボ配管吸い込み部を示しますが エルボ部A・B・C・D 点と下流側E点について各4点の風速と静圧の測定結果を表2に示します。この表で エルボ各部の風速のバラツキは大きいですが 特にエルボ出口のD点の内周側Aが最低風速で 3m/sec逆に 最大風速は エルボ入口側のB点の内周側A で 10m/sec となっており 3倍以上のバラツキとなっています。A,B,C,D 各部の4点の風速はこのように大きくバラついていますが 4点風速の平均値でみれば 8m/sec 前後の似た値に収まっています。(風速平均化の意義)
エルボ配管
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一方 エルボ各部の静圧で見れば A,B,C,D 各点とも 内周側の方が 外周側より 相対的に低い(マイナス側に大きい)結果となっています。一般的に 風速の大きい部分は動圧が大きいので 静圧はよりマイナス側に振られる傾向がありますので エルボコーナ部では 風は主に内周側に偏って流れていると想定されます。ただし D点内周側Aのように 風速計の測定では 3m/sec と最低速度であるが静圧で見ると むしろ低め(マイナス側に大きい値)になっており 風速と静圧の相対的な 大小関係が崩れている部分もあります。また静圧のバラツキは 一番低い点(B A)で -174Pa, 一番高い点(CC)で -79Pa で 約2.2倍程度のバラツキがありますが 風速の値のバラツキよりも小さく かつ4点平均化することにより 配管内の風の流れの傾向を より大局的に 再現性よく把握できると考えます。
静圧は 風量(即ち風速)の 2乗で効いてきますので わずかな風量変化でも 静圧は大きく変わりますので 目標静圧値で制御することにより より精度よく きめ細かな風量制御が可能となります。
試験結果3
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E 4点静圧式VAV の 静圧について

オリフィス式の話が 長引きましたが 本題の 4点静圧式について 図17に示します排気系統で試験した結果を 図18 に示します。なお 静圧測定点につきましては より細かく分析するために 4点→ 8点に増やして測定し 静圧の平均化については 8点のうち @〜C の4点平均化 及び D〜G の4点平均化の 2つを求め 両者を比較しています。
 なお 図18 の試験結果につきましては 図17 の静圧検出ポートの位置を 吸い込み口からの離隔距離 L (mm) を変えながら 8点について静圧測定したものです。
4点静圧式 試験系統図
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4点静圧式の 試験結果の例
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この例では ダンパーの羽根開度 45°で試験していますので ドラフトチャンバ-天板から ダンパ-軸までの距離が 230mmしかありませんので 羽根が開いていくと 羽根の先端と 静圧検出ポート@とが接近していくことになります。上図からも明らかなように ダンパーの羽根が 45°開いている方に近い @の点は 羽根の影響を受けて 羽根に近づくほど( L が大きくなるほど) 静圧は マイナス側に振れて低い値に下がって行っています。逆に ダンパー軸方向のAB点は L が大きくなるほど静圧はやや上昇する(絶対値が小さくなる)傾向が見られ @とは反対側のB点は -120Pa近くで安定(一定)しています。
さらに 各点の静圧値を平均化した @〜Cの平均値と D〜Gの平均値についても 同じグラフ上に示しますが 静圧ポートまでの距離 L (静圧ポートとダンパ-軸までの距離 230 - L ) の大きさの影響を受けずに -120Pa 位で安定しているという結果になっています。さらに細かく言いますと @〜Cの4点平均化値よりも D〜Gの4点平均化値の方が より安定(一定)した結果となっています。(弊社では 4点静圧式VAVについては D〜Gの 4点平均化方式で製品化しています。)
このように 4点平均化静圧式は オリフィス式に比べ VAV ( CAV) の吸い込み口からダンパー軸までの距離を大幅に短縮しても 正確な風量測定性能を 維持させることが可能で VAV (CAV) の50%以上の短尺化に寄与しています。
ただし この4点静圧式は 対象機器が設置された室圧との比較 (差圧)測定方式なので VAV の前にフィルターとかスクラバーなど圧損の大きな機器が室とVAVの間に割り込んでくるようなケースについてはオリフィス式を採用する必要があります。
4点静圧式VAVは ドラフトチャンバ-の排気口に直付けされて使用され VAVの大幅な小型化(短尺化)を実現しています。
 
 
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